県は県内の既存分譲マンションの実態や、居住者が抱える問題などを細かく把握するため、全棟調査に乗り出した。「埼玉のマンション事情」をあぶり出す基礎資料となる大掛かりなデータ集めで、県住宅課は「市町村や行政区単位による調査は実施されることがあるが、都道府県レベルでは行われたことがないのではないか」と話している。
都内へ通勤するサラリーマンなどのベッドタウンとして、1960年代から急速にマンション建設が進んだ埼玉県。県はこれまで高齢化率を把握する側面から県内の都市再生機構(UR)の賃貸団地の実態を調べたことはあったものの、分譲マンションについての調査は全く行っていなかった。築30年を超す老朽化したマンションが増え始め、建て替えなどが課題となることが予想されるため、県は主に維持保全や修繕の状況、管理組合の活動を調査することにした。
データ集めは都内の民間会社に委託。調査員36人が県内に約5400あるマンションの管理組合代表者を訪問し、趣旨を説明して聞き取り調査する。代表者がいないマンションについては管理人に協力を依頼。全く手掛かりのないマンションに関しても目視でチェックすることで、県内すべてのマンションをカバーしたい考えだ。
内容は建物の概要をはじめ、管理規約や日常の管理業務、修繕や建て替え、防災や防犯への取り組み、管理上のトラブル、居住者の高齢化の状況、駐車場などの付帯施設など32項目について調べる。
さらに分譲マンションの居住者ニーズを把握するため、無作為抽出で選んだ1万世帯に対し、アンケートも行う。▽間取りや住居に対する満足度▽家族構成や通勤・通学状況▽マンション内のトラブル▽住民から見た管理実態▽自動車やバイク所有の有無―などまで踏み込み、50項目の質問に答えてもらう。
県住宅課は「今回の調査で、県内の全棟数そのものも分かるのではないか。埼玉のマンション事情や最新の傾向、住民の意識などをつかむことができれば」と話している。来年1月下旬までに調査を終了し、年度内にデータをまとめる。
『WEB埼玉』より
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