仙台市青葉区立町の住民らが、地区内のビルにある暴力団組事務所の使用差し止めを求めた訴訟で、住民側は8日、ビルを訪れ、和解に基づいて指定暴力団山口組系東海興業側が退去したことを確認した。
「仙台市立町学区暴力団追放住民の会」の阿部邦彦会長や住民側代理人、宮城県警暴力団対策課員ら約15人が現地を視察。東海興業側はビルから立ち退いており、荷物もなくなっていたという。
阿部会長は「晴れ晴れとした気持ち。地域の力が結集され、(退去が)成し遂げられた」と意義を強調した。代理人代表の真田昌行弁護士は「住民の勇気が退去に結び付いた。後に続く事例になればいい」と話した。
ビルは立町小の通学路沿いにあり、近くでは2007年、山口組系と住吉会系の間で発砲事件を伴う抗争が起きた。立町小の菅原耕一校長は「児童が抗争に巻き込まれる心配がなくなり、ほっとしている。安心して登下校できるのではないか」と住民側に感謝した。
和解では、ビルと土地の所有者が今月25日までに売却先を見つけられない場合、住民側を支援した県暴力団追放推進センター(仙台市)が買い取ることになっている。
◎愛知の組事務所を捜索/宮城県警、事務所賃借詐欺容疑/仙台・立町
指定暴力団山口組系幹部らが、組員であることを隠して不正に借りた仙台市青葉区立町のマンションを組事務所として使っていた詐欺事件で、宮城県警暴力団対策課などは8日、詐欺の疑いで、愛知県武豊町の山口組系弘道会傘下の組事務所を家宅捜索した。
捜索は午前8時半ごろに始まり、県警の捜査員約十数人が事務所内を調べ、書類など数点を押収した。
捜査関係者によると、捜索の対象となった暴力団には、マンションを借りたとして詐欺容疑で逮捕された山口組系幹部、無職斎藤忠則容疑者(44)=太白区中田町=ら4人が所属しているという。県警は押収した資料を分析し、マンションを組事務所として使用していた実態を裏付ける方針。
斎藤容疑者らが不正に借りたマンションは、住民が立ち退きを求めた東海興業のビルから北東に約300メートルで、同じ立町地区にある。
『河北新報』より
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