2010年11月19日金曜日

方針不変に市議批判/駅再開発ビル問題

福井市議会の県都活性化対策特別委員会が16日、開かれ、NHKがJR福井駅西口の再開発ビルの入居に難色を示した問題で、市に批判的な意見が相次いだ。NHKは放送施設のすぐ近くに分譲マンションをつくる現計画に拒否反応を示したが、市側は方針を変えないまま「NHKと協議を続ける」とした。(岡野翔)

 東村新一市長は冒頭、「計画を入り口まで戻すような判断に憤りを感じる」と改めてNHKを非難したが、各委員の反応は冷ややかだった。

 皆川信正市議は「計画は『NHKありき』ではなかったか。マンションとの両立はどうするのか」とただした。藤岡啓太郎・都市戦略部長兼特命幹は「NHKと協議を続けて打開策を練るが、計画が微修正で済むかどうかの確信はない」と説明した。

 NHKは2棟型ビルの現計画に対し、市から入居を要請された棟と別棟のマンションが近いことを懸念、「住民からの苦情が将来的に続く恐れがある」として判断を保留した。NHKの主張を受け入れれば、マンションの建設計画を見直す必要が出る。
 藤岡特命幹は「NHKに代わるべきものがない以上、現計画で努力する」と語気を強めたが、見通しは立たない。野嶋祐記市議らは「協議しても現計画では難しい。期限を示して方向性を定めるべきだ」と重ねて指摘した。

 ホテルの誘致や市民福祉会館の移転など、これまで失敗に終わった案が繰り返し引用された。「大きな狙いを一つに絞るから同じ失敗を繰り返す」「すべてを市が決めようとせず、もっと市民から広く意見を募るべきだ」など、市の政策手法を問いただす声も相次いだ。

 閉会後、東村市長はマンションとNHKが併存できるか報道陣から問われ、「これまでの流れはマンションが前提にあり、そのうえでNHKの参画があった。現時点では勝手に何も決められない」と言葉少なだった。
 地権者らでつくる再開発準備組合の理事会が18日に開かれる。このため委員会は地元の反応を見たうえ、30日に会合を再招集することにした。
『朝日新聞』より
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